日の本辨工業株式会社様

1943年の設立以来、船舶用バルブの専業メーカーとして大手重工メーカーをはじめ多くの造船所から高い評価と信頼を得て事業を展開してきた日の本辨工業様の内製化支援をさせていただきました。

お客様名 / 日の本辨工業株式会社様
業種 / 製造業
事業内容 / 船用鋳鉄弁、船用ダクタイル鋳鉄弁の製造
導入年月日 / 2008年
システム内容/ ☑内製化支援
使用拠点(部署) /本社
クライアント環境 /Windows,Mac

導入の背景

紙の時代からデジタルへ──危機感が生んだ内製化の決断

1943年の創業以来、船舶用バルブの専業メーカーとして高い評価を得てきた日の本辨工業様。しかし、3代目社長の岡氏が家業を継いだ当時、業務は紙と職人の記憶に頼るアナログなものでした。将来を見据えた時、このままではいけないという強い危機感を抱き、デジタル化の必要性を感じていました。特に、製造履歴データの管理はメーカーの責任として不可欠であり、データベースの構築が喫緊の課題でした。

導入の決め手

内製から共創へ──FileMakerで築く自社開発の未来

「自分たちで何とかせねば」という強い思いから、FileMaker(現 Claris FileMaker)でのシステム開発の内製化に踏み切った日の本辨工業様。しかし多忙な業務と並行しての様々なアプリケーション開発やメンテナンス、改善や拡張を続けていくことに限界を生じ始めていました。そこでシステム拡張の外部委託が検討され、バルーンヘルプへお声掛けいただくこととなりました。
外部委託に当たって危惧されていた「全てがベンダー任せとなってシステムがブラックボックス化してしまうこと」「自分たちで拡張内製化できることが FileMaker の長所であるのに、それをスポイルするようならそもそも FileMaker を使う意味がない」との考えのもと、『システムの骨格となる部分は任せるが、自分たちで拡張できる部分は自分たちの手でやらせてほしい』とのお話をいただき、ともに改善や拡張を進めていくこととなりました。

導入の効果

内製化の力──コスト削減から人材育成、業務改善まで

①内製によるコスト削減と業務効率化

FileMaker を活用することで、社内でアプリケーションを開発・拡張できるようになり、追加費用を大幅に削減しました。また、受注管理や在庫管理のデータ検索が容易になり、業務の迅速化を実現しました。

②若手従業員の成長とチーム力の向上

バルーンヘルプと連携しながらOJT形式で開発スキルを学ぶことで、若手社員が開発スキルを習得。現場の課題を自ら見つけ、アプリケーション開発で解決するという好循環が生まれました。

③現場の課題を迅速に解決する柔軟性

例えば、有機溶媒の管理アプリを社内で開発し、消防署の指摘に迅速に対応。この取り組みにより、追加設備投資を回避できました。さらに、QRコードを活用したバルブ製造工程のデータ連携など、作業効率を向上させることも実現しました。

④IT投資の内化による健全化

システムを内部化することで、30年かけてIT投資を最適化。 その結果、重要構成が強化され、オフィスの書き換えや新設備の導入など、企業としての成長につながりました。

今後の展望

「自分たちで何とかせねば」というチャレンジ精神が原動力となり、困難な状況を乗り越えてこられた日の本辨工業様。皆さまの力が結集し、現場の課題解決に挑み続けます。

期待される取り組み:AIとクラウドとの連携: FileMaker の活用をさらに進化させ、AIによるデータ分析やクラウドを活用した業務最適化を目指します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進:現場のデジタル化を加速し、より効率的で働きやすい環境を整備。

若い力のさらなる活躍:今後も新たな人材が報酬、技術力を高めながら、業務改善を積極的に行う文化を継続。

ITメディア様: https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2410/08/news003.html